生きているわたしたちの誰もが“その時”を迎えます。招く時も招かれた時も、ご法要では故人への供養の気持ちを大切にしたいもの。ここでは、心を込めたご法要を営むために、必要なマナーと知識をご紹介します。
ご法要に招かれたら
通知を受けたら、できるだけ早めに出欠の返事を出します。ご法要に招かれたら、都合のつく限り出席しましょう。やむをえず欠席するときは、ご法要当日までに供物料を送り、後日ご焼香にうかがいましょう。
服装は男性ならダークスーツで、地味な色合いのネクタイ、靴下にします。女性は地味なワンピースかスーツで、派手なものは避けましょう。ご法要は招待された人が参列するのですから、遅刻はもちろんマナー違反。15分〜20分くらいの余裕を持って会場に行きましょう。
あいさつについては、難しく考えずに「ご供養の席に加えていただきありがとうございます。ご焼香させていただきます」でよいでしょう。
持参する供物料には不祝儀袋に「御霊前」「御仏前」などと記して渡します。
供物料の表書き
■仏式
水引は黒白または双銀を用い、表書きは四十九日まで「御霊前」四十九日以降は「御仏前」。
■神式
不祝儀袋にハスの花の絵を印刷したものは仏式なので注意!
無地のものを使い、表書きは「御霊前」
■キリスト教式
キリスト教用の不祝儀袋または白封筒を使い、表書きは「お花料」
北海道のご法要
北海道では、初七日の後、忌明けまでの供養はごく身内で行うのが一般的です。ただし、北海道や都心部では遠方から足を運ぶ親戚に配慮して、初七日は葬儀に引き続き繰り上げて行う傾向にあります。忌明けは四十九日で僧侶を呼びご法要を行います。
また、年忌は一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七、二十三、二十七、三十三と続き、三十七回忌で「弔い上げ」とすることが多いようです。
なお、 ご法要のしきたりや用語は方言がそれぞれ違うのと同じように、地域や宗派によってさまざまです。不明な点がございましたら、ご法要担当者までお尋ね下さい。
卒塔婆(そとば)供養するとき
故人に対する感謝と供養の気持ちを表したのが卒塔婆です。
卒塔婆はサンスクリット語のストゥーパ(「塔」の意味 )がもとで、釈迦の墳墓だったものが原型となっています。サンスクリット語で宇宙全体を表す「空、風、火、水、地」が書かれ、その下に故人の戒名が記されています。
年忌法要のときに、施主のほか、親類や友人など誰でも申し込むことができます(浄土真宗では行われません)。卒塔婆供養をしたい場合は、あらかじめ施主に料金を聞いておき、当日は供物料とは別に白封筒に「御卒塔婆料」と記して現金を包み、施主に渡します。
どうして四十九日
仏教宗派の多くは、死者は七日ごとに生前の功罪を裁かれるといいます。その判決がよいものになるように行われるのが、初七日、二七日など七日ごとの追善供養なのです。
四十九日は判決の最終日にあたり、死者の運命が決まる裁判の日といわれています。だから遺族はお経をあげ、お花を供えて故人が極楽に行けるのを助けるのです。
もともと、古代インドでは人間は輪廻(りんね)転生するものと考えられていました。誕生の瞬間を「生有」、生きている間を「本有」、死の瞬間を「死有」、そして死んで次の生を得る間を「中有」または「中陰」と呼び、中有は四十九日であるとされていました。この間七日ごとにご法要を行い、四十九日を「満中陰」といって、遺族は家を出ずに謹慎するのが普通です。四十九日を過ぎると「忌明け」となり、通常の生活が許されました。
お布施の由来
お布施は直接手渡すのではなく、小さなお盆にのせ、僧侶の方に向けて差し出します
お布施は、お金や物資などを与える「財施」、仏教の教えを説く「法施」、おそれをとり除く「無畏施(むいせ)」などを実践することで、「五欲のむさぼり(財欲、色欲、飲食欲、名誉欲、睡眠欲)」から心を解き放し、物心両面からの救いを願って行われるものです。
お布施は、もともとはサンスクリット語で布施、施しを表す「ダーナ」に由来しています。仏法を広めるために、在家の立場から僧や寺院を支えることを意味しますが、施しをする人も「檀那(だんな)」と呼ぶようになり、それが転じて自分の使える主人を呼ぶ言葉になったといわれています。
お布施は本来、定価があるものではないのですが、やはり気になるところです。その土地や風習、寺格、またお寺との交際の度合いによって異なりますから、できれば直接お寺に聞いてみるのがよいでしょう。





